2009.02.11 free Real Contact
前回に続くコンタクト絡みのいいネタを発掘しました。
もう時効だからいいよね。上田です。
ええ、勿論怒られたら消します。
ニンテンドー・パワー誌204号に載った(はずの)インタビューですが
未だその後の成り行きを知る術がありません。
とりあえず原文が読めるのはココだけ!
最初から海外向けインタビューという事で
テキストを書いている時点から英語に翻訳しやすいように意識してたんですが
逆に訳しにくい事この上ないであろうカオスな文体だと我ながら思います。
要らぬ気遣いというやつですが、逆にネタ的にフランクに書けたので楽しかったです。
では、以下長いですがお読みください。
(1) Can you tell us a little about the story in Contact?
ゲーム『コンタクト』のストーリーについて少しお話いただけますか?
まず始めに、地球に良く似たひとつの惑星がありました。
そしてどこからともなく、ハカセが乗った宇宙船が姿を現します。
この惑星に住むとぼけた少年が、ハカセとのファーストコンタクトを行いますが
実は彼よりも先に、プレイヤー自身がDSを通じて既にハカセとコンタクトを行っています。
ハカセは、アナタが「こちらの世界」からコンタクトを行っている事を知っているようです。
その理由は、ハカセがアナタに話しかける時はいつもカメラ目線だからです。
256*192ピクセルの次元のゆがみ?もしくは2つの世界を繋ぐ「何か」を、博士は得ました。
アナタが、もしくは誰かがゲームショップで“コンタクト“を購入しなければ
ハカセは誰ともコンタクトが取れず、ずっと宇宙空間をさまよい続けている事でしょう。
構想当初は、ジオラマのような箱庭世界を冒険していくアドベンチャーRPGを
GBAプラットフォームで開発しようとしていました。
その後NintendoDSが発表され、このプロジェクトもDSで動くことになりました。
コンタクトというタイトルは開発途中で付いたものですが
プレイヤー自身がゲーム世界に”コンタクト”するという世界観は、初めからありました。
ハカセ、主人公、そして「アナタ」は、それぞれ互いにエイリアンという事になります。
その3者がコミュニケーションを取り合って、次第に協力関係になっていきますが
ハカセは、「アナタ」の存在だけは少年に秘密にしています。
きっと、少年にとって「アナタ」はあまりにも理解不能な存在だからでしょう。
(2) What features unique to the DS have you found the most interesting when designing Contact?
『コンタクト』をデザインしていった上で、DSハードにおけるどのような特徴が一番面白いか発見されましたか?
2つの画面、タッチスクリーン、マイク、その全てが面白いと思いました。
同時に、安易な使い方や無理やり使うようなゲームデザインは望みませんでした。
コンタクトにとって利用出来るかどうか、またゲームの攻略や謎解きに有効になるような
デザインを心掛けました。
忘れていた頃にふと思い出して実行してみるような、まさにアドベンチャーゲームを
解くような感覚で、これらの要素を用いるように意識してみました。
どこかは秘密ですが、DSの内蔵時計を用いた時間限定イベントも実験的に入れました。
DSならではの数々の機能は、謎や仕掛けのアイデアを無限に拡大させます。
(3) How do your character’s Fame, Courage and Karma stats affect game play?
キャラクターの名声・勇気・因縁の値といったものは、どうゲームに影響するのですか?
名声・勇気:街の人の評判や、特に様々なタイプの女性を口説く時に重要です。
因縁(カルマ):主人公の行いによって上下します。人や動物に手を下してはいけません。
その他、様々なスキルがありますが、バトルに役立ったり、時にはイベントに役立ったりと
細分化されたスキルに見合った用途があります。
(4) At some points, you can interact directly with the Professor’s pet via the touch screen – does playing with it affect the outcome of the game?
所々に、教授のペットとタッチスクリーンで直接情報交換とか出来ますが、こういったプレーはゲームの成果に影響しますか?
主人公がベッドで眠りにつき、上下画面が入れ替わるこの時は
ハカセがアナタに対してオープンに話せる唯一のタイミングです。
ペットの名前ですが、日本版では「ニャンニャン」と呼ばれています。
現実世界で猫と遊ぶ時のようにタッチしてあげてください。
この子は開発中からかなり甘やかしてしまったので気まぐれですが
コミュニケーションを続ければ、やがてバトルに召喚した時に心強い相棒となるでしょう??
(5) What are your plans for Wi-Fi within Contact?
ゲーム『コンタクト』でのWi-Fiの計画はどういったものですか?
コンタクトは、初めはスタンドアローンで開発していました。
それはWi-Fi仕様が入った最終的な製品でも、思想は変わりません。
まずはこの独特な世界に、アナタが深く入り込んでくれる事を願います。
そして、そのアナタだけの世界をさらに深めてくれるツールとしてWi-Fiが存在します。
「フレンドコンタクト」というシステムで、最大8人まで友達をアナタの世界に登録できます。
NPCとなった「友達」はアナタの世界の「ある島」に次々と住み着きます。
そのNPCに話しかけると、友達の名前や特徴がよく現れた反応を示します。
まるでリアルフレンドが姿を変え、コンタクトの世界に住み着いたような感覚が味わえるでしょう。
もちろん、プレイヤー自身にとっての攻略や遊び込みにも、この仕様は貢献します。
(6) Contact uses two very distinct art styles – the organic outside world vs. the simple, futuristic image of the professor’s domain. How do you describe those styles, and how does it serve the story and gameplay?
『コンタクト』は、所謂、『有機生物的世界<対>教授の専門であるシンプルかつ未来的世界』といったような二つの特殊なアートスタイルが使われています。これらのスタイルをどのように説明されますか。また、それがどうストーリーやゲームプレーの上で使いわけをされるのでしょうか?
最初に「ラボ画面」を作りました。
僕が長年思い描いていた宇宙的でポップな質感を、まず試しに実装してみました。
黒で縁取りされたピクセル世界は、この上なく幻想的で美しい世界だと思います。
このアートスタイルは、同時に「古き良きビデオゲーム」を連想させる物でもありました。
大のゲームフリークである僕が思いを込めたデザインを、今回は世界観の主軸としました。
そこから生まれたのが、フォトリアリスティックとの対比です。
例えば8ビットのNESと16ビットのS-NESは、スペックの違いだけでは語りきれない
それぞれに特徴のある感触、時代背景、表情、そしてアートがあります。
コンタクトという作品の中で、画面のアートワークという点においては
そういったそれぞれの良さを表現したいという思いで取り組みました。
そして、2画面というDSならではの要素を、この「対比」につなげました。
また「ハカセの住む世界」と「舞台となる惑星」との対比にも使われています。
(7) Do you have plans to build a franchise out of Contact, including sequels or other genres of games using the same characters and worlds?
『コンタクト』の続編もしくは同じキャラクターやその世界を使った他のジャンルのゲームを作製するフランチャイズ計画はありますか?
今年に入って、アウディオ(audio inc.)という開発会社を設立しましたが
相変わらず開発現場に身をおく立場としては、プレイヤーの皆さんに支持されながら
コンタクトに関係する何らかの新作をリリース出来る事を望んでいます。
そのプロジェクトが、単なる続編(Contact2)タイトルであっても良いと思っています。
いっそ「続編」という言葉をフェイクとして、逆に利用するのも面白いと思いました。
どちらにしろ、何か作れることが出来たら幸せだと思います。
Copyrights (c)Marvelous Entertainment Inc. (c)grasshopper manufacture inc. All Rights Reserved.
もう時効だからいいよね。上田です。
ええ、勿論怒られたら消します。
ニンテンドー・パワー誌204号に載った(はずの)インタビューですが
未だその後の成り行きを知る術がありません。
とりあえず原文が読めるのはココだけ!
最初から海外向けインタビューという事で
テキストを書いている時点から英語に翻訳しやすいように意識してたんですが
逆に訳しにくい事この上ないであろうカオスな文体だと我ながら思います。
要らぬ気遣いというやつですが、逆にネタ的にフランクに書けたので楽しかったです。
では、以下長いですがお読みください。
(1) Can you tell us a little about the story in Contact?
ゲーム『コンタクト』のストーリーについて少しお話いただけますか?
まず始めに、地球に良く似たひとつの惑星がありました。
そしてどこからともなく、ハカセが乗った宇宙船が姿を現します。
この惑星に住むとぼけた少年が、ハカセとのファーストコンタクトを行いますが
実は彼よりも先に、プレイヤー自身がDSを通じて既にハカセとコンタクトを行っています。
ハカセは、アナタが「こちらの世界」からコンタクトを行っている事を知っているようです。
その理由は、ハカセがアナタに話しかける時はいつもカメラ目線だからです。
256*192ピクセルの次元のゆがみ?もしくは2つの世界を繋ぐ「何か」を、博士は得ました。
アナタが、もしくは誰かがゲームショップで“コンタクト“を購入しなければ
ハカセは誰ともコンタクトが取れず、ずっと宇宙空間をさまよい続けている事でしょう。
構想当初は、ジオラマのような箱庭世界を冒険していくアドベンチャーRPGを
GBAプラットフォームで開発しようとしていました。
その後NintendoDSが発表され、このプロジェクトもDSで動くことになりました。
コンタクトというタイトルは開発途中で付いたものですが
プレイヤー自身がゲーム世界に”コンタクト”するという世界観は、初めからありました。
ハカセ、主人公、そして「アナタ」は、それぞれ互いにエイリアンという事になります。
その3者がコミュニケーションを取り合って、次第に協力関係になっていきますが
ハカセは、「アナタ」の存在だけは少年に秘密にしています。
きっと、少年にとって「アナタ」はあまりにも理解不能な存在だからでしょう。
(2) What features unique to the DS have you found the most interesting when designing Contact?
『コンタクト』をデザインしていった上で、DSハードにおけるどのような特徴が一番面白いか発見されましたか?
2つの画面、タッチスクリーン、マイク、その全てが面白いと思いました。
同時に、安易な使い方や無理やり使うようなゲームデザインは望みませんでした。
コンタクトにとって利用出来るかどうか、またゲームの攻略や謎解きに有効になるような
デザインを心掛けました。
忘れていた頃にふと思い出して実行してみるような、まさにアドベンチャーゲームを
解くような感覚で、これらの要素を用いるように意識してみました。
どこかは秘密ですが、DSの内蔵時計を用いた時間限定イベントも実験的に入れました。
DSならではの数々の機能は、謎や仕掛けのアイデアを無限に拡大させます。
(3) How do your character’s Fame, Courage and Karma stats affect game play?
キャラクターの名声・勇気・因縁の値といったものは、どうゲームに影響するのですか?
名声・勇気:街の人の評判や、特に様々なタイプの女性を口説く時に重要です。
因縁(カルマ):主人公の行いによって上下します。人や動物に手を下してはいけません。
その他、様々なスキルがありますが、バトルに役立ったり、時にはイベントに役立ったりと
細分化されたスキルに見合った用途があります。
(4) At some points, you can interact directly with the Professor’s pet via the touch screen – does playing with it affect the outcome of the game?
所々に、教授のペットとタッチスクリーンで直接情報交換とか出来ますが、こういったプレーはゲームの成果に影響しますか?
主人公がベッドで眠りにつき、上下画面が入れ替わるこの時は
ハカセがアナタに対してオープンに話せる唯一のタイミングです。
ペットの名前ですが、日本版では「ニャンニャン」と呼ばれています。
現実世界で猫と遊ぶ時のようにタッチしてあげてください。
この子は開発中からかなり甘やかしてしまったので気まぐれですが
コミュニケーションを続ければ、やがてバトルに召喚した時に心強い相棒となるでしょう??
(5) What are your plans for Wi-Fi within Contact?
ゲーム『コンタクト』でのWi-Fiの計画はどういったものですか?
コンタクトは、初めはスタンドアローンで開発していました。
それはWi-Fi仕様が入った最終的な製品でも、思想は変わりません。
まずはこの独特な世界に、アナタが深く入り込んでくれる事を願います。
そして、そのアナタだけの世界をさらに深めてくれるツールとしてWi-Fiが存在します。
「フレンドコンタクト」というシステムで、最大8人まで友達をアナタの世界に登録できます。
NPCとなった「友達」はアナタの世界の「ある島」に次々と住み着きます。
そのNPCに話しかけると、友達の名前や特徴がよく現れた反応を示します。
まるでリアルフレンドが姿を変え、コンタクトの世界に住み着いたような感覚が味わえるでしょう。
もちろん、プレイヤー自身にとっての攻略や遊び込みにも、この仕様は貢献します。
(6) Contact uses two very distinct art styles – the organic outside world vs. the simple, futuristic image of the professor’s domain. How do you describe those styles, and how does it serve the story and gameplay?
『コンタクト』は、所謂、『有機生物的世界<対>教授の専門であるシンプルかつ未来的世界』といったような二つの特殊なアートスタイルが使われています。これらのスタイルをどのように説明されますか。また、それがどうストーリーやゲームプレーの上で使いわけをされるのでしょうか?
最初に「ラボ画面」を作りました。
僕が長年思い描いていた宇宙的でポップな質感を、まず試しに実装してみました。
黒で縁取りされたピクセル世界は、この上なく幻想的で美しい世界だと思います。
このアートスタイルは、同時に「古き良きビデオゲーム」を連想させる物でもありました。
大のゲームフリークである僕が思いを込めたデザインを、今回は世界観の主軸としました。
そこから生まれたのが、フォトリアリスティックとの対比です。
例えば8ビットのNESと16ビットのS-NESは、スペックの違いだけでは語りきれない
それぞれに特徴のある感触、時代背景、表情、そしてアートがあります。
コンタクトという作品の中で、画面のアートワークという点においては
そういったそれぞれの良さを表現したいという思いで取り組みました。
そして、2画面というDSならではの要素を、この「対比」につなげました。
また「ハカセの住む世界」と「舞台となる惑星」との対比にも使われています。
(7) Do you have plans to build a franchise out of Contact, including sequels or other genres of games using the same characters and worlds?
『コンタクト』の続編もしくは同じキャラクターやその世界を使った他のジャンルのゲームを作製するフランチャイズ計画はありますか?
今年に入って、アウディオ(audio inc.)という開発会社を設立しましたが
相変わらず開発現場に身をおく立場としては、プレイヤーの皆さんに支持されながら
コンタクトに関係する何らかの新作をリリース出来る事を望んでいます。
そのプロジェクトが、単なる続編(Contact2)タイトルであっても良いと思っています。
いっそ「続編」という言葉をフェイクとして、逆に利用するのも面白いと思いました。
どちらにしろ、何か作れることが出来たら幸せだと思います。
Copyrights (c)Marvelous Entertainment Inc. (c)grasshopper manufacture inc. All Rights Reserved.
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